東京地方裁判所 昭和42年(借チ)2049号 決定
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〔決定理由〕4 申立人らの先代は、本件建物で医院を経営していたが、相続人たる申立人らは医師を職業とするものではなく、医院の経営はできないので、本件建物(居宅診療所)及びその敷地賃借権を東京都葛飾区金町四丁目一六一四番地西村武に譲渡することを予定したが、その譲受予定者たる右同人は右住所地に四階建のビルを所有し、そこで歯科医を開業すると共に、医療器具の販売会社の役員にもなつており、右本件建物譲受後はそれを歯科医関係の技工士を養成する施設として使用する予定でいる。本件建物がまたがつて存在するところの本件土地の南側隣接地についてはその所有者たる中山治雄はその借地権譲渡に異議がなく、相手方も右同人に対する本件借地権譲渡自体には格別の異議はないが、財産上の給付額について折合いがつかないためその承諾をしないものである。
右の事実によれば、本件借地権の譲渡が賃貸人たる相手方の不利になるおそれがあるとはいえないし、その他本件借地権の譲渡を不相当とすべき点がうかがわれないから、<中略>申立人の申立ては認容すべきものである。
三、そこで、次に当事者間の利益の衡平をはかるため必要な附随の処分について検討する。
1 まず、財産上の給付についてみると<中略>鑑定意見は本件土地の更地価格を三・三平方米当り三七万九〇〇〇円と評しその約七・五%に相当する金額の二五四万一七〇〇円を申立人らより相手方に給付するのが相当であるとしている。右更地価格はやや高額な感じがしないでもないが、本件土地の位置、環境等を併せ考えるとそれはやむを得ない価格というほかなく、その価格を尺度に前記諸事情を総合して検討すると、本事件において、申立人らが相手方に財産上給付すべき額は、前記本件土地の更地価格に対する五・七%に相当する一九三万円(一万円未満の端数切捨て)が相当であると認める。よつて、本件土地の共同賃借人であり不可分債務を負担する関係にある申立人らに連帯して右金額を支払うよう命ずることとする。(渋川満)
別 紙
(土地賃借権の表示)
1 目的土地 東京都葛飾区金町一丁目九八三番三
二九五・三二平方米
(約八九・三四坪)
2 契約の目的 普通建物所有
3 存続期間 昭和五四年一二月末日まで
4 賃 料 三・三平方米当り一カ月五〇円
5 当 事 者 賃貸人相手方、賃借人申立人ら